前回の記事「プロカメラマンに必要な機材1」の続きである。読んでない方はぜひ読んでみてください。
前回はプロカメラマンのなる時に必要な機材について「プロクライアント」の私の考えを話したが、いかがだったでしょうか?もちろんクライアントも様々なので、色々な意見がある事は重々承知だ。だけどクライアントとはワガママなものである。好かれるに越したことはない。その為には多少の出費はしょうがないだろう。
今日はメイン機材以外の話をする。
カメラとレンズ以外の機材について
まずは状況を整理しよう。前回クライアントが求めている写真を納期通りに納品する所までが仕事だとお伝えした。じゃあそれができないという事はどういう事か。クライアントから見ると、震えが来るくらい恐ろしい話になるが、例を上げてみる。
- 指示通りの写真ではない
- モデルのOKが出ない
- 写真が無くなった
これを避ける為に絶対必要な機材をクライアント目線から書いてみる。
指示通りの写真をとる為に
ロケで撮影しよう。ハウススタジオで撮影しよう。こんな事はよくある事。ロケハン行ったら、天気が良くて最高でした。
そりゃそうでしょう。晴れてるんだから。だけど当日雨が降ることももちろんある。曇りの時もある。
日差しが必要なカットがあるのに光がなくて写真が撮れない。木漏れ日イメージでハウススタジオにしたのに、雨で光が入ってこない。
テクニックは私はしらない。プロカメラマンじゃないから。知りたい場合はプロカメラマンのページを調べてください。だけどこんな時に対応できる照明機材は必要になてってくる。
次に私の専門であるアパレルの写真は、冬に夏物の写真をとるし、真夏に冬物の写真を撮る。不思議な世界である。
テクニックは私は知らないが、光を調整する機材やレタッチする機材も必要なのは容易に想像できる。
まぁとにかく、クライアントは自然に逆らった指示を出す。素人だからしょうがない。だからこそそれに対応できる機材を揃える必要がある。だってプロなんだから。
事前に予測可能な大きな機材はレンタルでももちろん良いと思う。ただ当日急に天候が変わり撮影条件が変わる事は多々ある。万が一にも備えられる機材とテクニックはマストだと思う。
モデルのOKが出ない問題
プロの専業モデルは大丈夫なことが多い。ただタレントよりのモデルや、芸能人は本当に危険だ。注意しなければならない。そうしないとマネージャーがクライアントより牙を剥く場合がある。
その為にロケ、スタジオ問わずテザー撮影が重要になってくる。ラップトップPCは必ず揃えた方がいい。
なぜかというと、クライアントが撮影中の写真を確認できる状態にしていた場合は、万が一の時も「クライアントが確認はしていた」実績ができる。この実績がない場合は最悪、撮り直し問題が発生する事になる。これは写真が無かった問題同様、大変まずい状態だ。撮影費用や機会損失の損害賠償でとんでもない事になる可能性があるので、プロになりたてこそ絶対に確認はしてもらった方がいい。
PCなんてなんでも良い。私の周りだと、SDカードが刺さる2016年以前のMacbook proを利用しているカメラマンが多い。13インチでも15インチでも構わないと思う。ただ室外だと画面が反射する為、日除けカバーもあった方がクライアントは嬉しい。
ちなみにカメラとPCの接続問題はあるあるなので、ケーブルの変えは何本が準備しておりた方が良い。ほんとよくトラブル。
写真が無くなった問題
まだ私はこのトラブルに直面した事はないが、全てのプロカメラマンは対策をとっている。繰り返しにはなるが、カメラマンの仕事はクライアントの望んだ写真を納期通りに納める事だ。写真が無くなったでは洒落にならない。賠償問題に必ずなるので絶対に対策を取らなければならない。
カメラはどうするか
よくブログやYoutubeでシングルスロットは使い物にならないと言われてるが、クライアントとしてはどっちでもいい。ウェディングやショーなど、取り返しがつかない物はダブルスロットは必要だと思うが、広告撮影やブツどりは正直どっちでもいいと思う。LeicaMはシングルスロットなのだが、Leica使いのカメラマンは1カットごと読み込んで確認とバックアップをとっていた。
まぁ初めの1台はダブルスロットが何にでも対応できて打倒だろう。同時記録は安心だ。
記録メディアはどうするか
大容量のものを使用して一枚に撮れるだけ撮るって考え方をしている人はあまり知らない。普段お会いするカメラマンは、容量は知らないが、モデルの着替えごと写真を全てPCに取り込みバックアップをとっている。そしてカード自体も変えているが多いかな?そうする事で、SDカード、PCでバックアップ体制がとれている。そして昼休みや撮影後に外付けHDにもバックアップをとっている。
すなわち数百枚撮影できるSDカードが必要枚数、外付けのハードディスクが最低1台。こちらも必要になるだろう。
サブカメラ問題
最後に「写真が無くなった問題」ではなく「写真が撮れなくなった問題」だが重要なので書いておく。
すなわちサブカメラがいるのかいらないのか。これは様々なところで議論されている。けど議論するまでもない。結論は「いる」である。
まぁプロになりたいと思うくらいだから、すでにカメラはお持ちだろう。だけどやはり「フラッグシップか、それに準ずるくらいのハイアマチュアモデル」はなければ揃えて置いた方がいい。例えはNikonで言えば「D5とD850」とか。最低810は持っていて欲しい。Sonyで言えば「α9とα7RⅣ」とか。もちろんD5を2台でも良いし、1つ前のモデルだがα7RⅢを2台でも構わない。最新とは言わないが、ほぼ最新のモデル。用途によってフラッグシップや高解像度機も変わってくるので、こんなイメージって捉えて欲しい。
理由は簡単。万が一メインが撮影できない状態になった時、メインと同等クラスの写真がクライアントとして欲しいからだ。メインが壊れたからといって、写真のクオリティが下がってはクライアントとして納得がいかない。当たり前の事である。
まとめ
ひとまず「プロクライアント」としての立場から、プロカメラマンになりたい人が買うべき機材にコメントをしてみた。私は写真は好きだが「プロカメラマン」じゃないので、機材や撮影方法は素人である。だからこそワガママを言った箇所もある。だがこれだけは覚えて置いて欲しい。
クライアントは莫大なお金をかけて撮影を行っている。
カメラマンはそのチームの中の一人なのだ。だから失敗は許されない。
クライアントからしたらベテランカメラマンも今日からプロになったカメラマンも関係ない。正直機材を揃えられないならプロになって欲しくない。機材は保険であり安心である。出来上がった写真を使い、クライアントはお金を稼がなければいけない。写真の出来によっては、その後の何百万から何億以上のお金が生まれないかもしれない。
クライアントの求める売上も全てカメラマンの撮影の結果にかかっているのだ。
誰でもカメラマンになれる時代だからこそ、覚えていてもらいたいものである。