機材を選ぶという事




写真好きか機材好きか

写真をとることが好きになり、もうちょっと良いカメラが欲しいと思い始めたら危険です。世間では「沼」と表現する世界。この世界に足を踏み入れてしまう危険性があります。

この沼は底がなく、脱出は不可能に近いので、写真好きはこの沼を避けながら生活しているわけです。ただしこの沼はタチが悪い事に、そこら中に口を開けて写真好きを待ち構えています。そしてあたかも健全な池の如く、甘い蜜の香りをさせながら僕ら写真好きを呼び込みます。一度触れたら最後、ちょっとやそっとじゃ逃してくれないのです。

私は写真が好きだとは思っていはいるのですが、やはりカメラの新製品は気になるし、欲しくなります。また何かと理由をつけて買います。って事は機材好きなのかとも思うのですが、写真が好きと言い聞かせつつ、自分に言い訳を言いつつ購入してしまうわけです。

この焦点距離は持ってないから、とか。この明るさがあれば便利、とか。写りが違う気がするから、とか。だんだん言い訳も苦しくなってくるわけです。だけど「Summicron 50mmを世代別に全部揃えたい!」というお金がいくらあっても足りない欲望があるわけでは無いので、まだ写真好きということにしています。

プロは理に適ってると思う

今まで幸運にも数々の写真のプロとお話する機会がありました。私の見解ですが、写真家さんとカメラマンで意見が変わってきます。

写真家さんの場合

写真家さんの場合は自分の作品を作る事が一番の目的なので、機材にはさほどこだわっていない方もいます。中には学生の時に購入したエントリー機をずっと使い続けてる方もいます。

もちろん機材オタクの写真家さんもおりまして、大量に機材をお持ちです。ただ最新機種を買い漁るという事ではなく、自分の作品を表現する古いレンズを買いに街を徘徊するという方でした。

共通する事は、出てくる写真が大切であって、それを表現するカメラとレンズはあくまで写真を生み出す道具だという事です。

カメラマンの場合

カメラマンはクライアントの希望の写真を納品する事が仕事です。なので自分の評価ではなくクライアントの評価になります。なので機材の性能で足を引っ張ることの無いような機材選びをしている気がします。

まずはフラッグシップ機と大三元レンズで固めている方。理由を聞いてみると、メーカーのフラッグシップ機なので性能はお墨付きである。次に壊れない。いざとなると変わりはすぐに手に入る。クライアントに舐められない(笑)。などトラブルを回避する理由が多いようです。

ちなみにクライアントに舐められるって事は笑い話ではなくあるようです。普段ライカで撮影している方が実際にクライアントに言われ、フラッグシップ機に持ち替えたって話も聞きました。

次に稀ですが気にしない方もいます。持っているのはもちろんプロ機に準ずるものではあるのですが、最新では無い場合。理由を聞いてみると、慣れてるしこれで十分と言っておりました。確かに毎回最新機に買い換えなくてもいいかもしれませんね。カメラは5年で減価償却(値段で変わる)なのでそれに合わせるのも職業カメラマンっぽいですね。

なんか長くなってきたので、自分の話はまた今度。

今日の写真

GR F2.8 18.3mm

この写真は香港の金魚街で撮影しました。撮影禁止と言われましたが、金魚一匹分のお金を渡して数枚だけ撮影させてもらいました。きっと撮影してもらうのも商売なんでしょうね。